介護の仕事の実態と転職の判断ライン

転職 - 総合

 

介護業界に働く方々は、介護が必要な方のお世話をするという、重労働に身を置いている と同時に、相手が 「人」 であるが故に、その責任は非常に重い という、大変な職業に就いていらっしゃいます。

これだけで、既にその過酷さが伝わるというものですが、あくまでも人である以上、そこには 色々な不満を持ってて当たり前 です。

その 内容次第では、その職場を離れたい、転職したいという気持ちが芽生えても致し方ありません。

今回は、そんな介護業界に努める方々の傾向を見ながら、転職するに価するラインを見ていきます。

 

 

介護職の仕事内容

介護職としての仕事の形態としては、大きく分けて2種類あります。

 

一つは、「福祉施設介護員」 として、児童福祉施設、身体障害者福祉施設、老人福祉施設などで、介護が必要な方々のお世話をする人たち です。

イメージをし易いとして挙げられるのは、老人ホームに入所しておられるご老人達の食事や入浴を始め、排泄にいたるまで、生活の全般のお世話をする介護職員ではないでしょうか。

上記のように、一つとしては、施設内に入所する方々をお世話する仕事となります。

 

二つ目としては、ホームヘルパーを言えば分かりやすいと思いますが、年齢や病気・障害などにより、家事等の遂行に支障を来す場合に派遣される、「訪問介護員」 です。

 

上記の二つが、この業界に勤める方の主な仕事の形態となります。

 

介護労働者の収入からみた現状について

下表は、介護に携わる方々の平均年収を 6種類の就業施設ごと、及びそれら 6種類の全平均年収を出した表となっています。参考に全業種(日本の全サラリーマン)の平均年収も並べておきました。

また、下表は常勤雇用者のみを抽出した表です。非常勤雇用者は、就業時間にばらつきがあるものと思われ、比較対象として出すのはふさわしくないと判断したため、出していません。

 

早速、下表をご覧ください。

 

【平均年収】

※厚生労働省-「平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果」 より

 

非正規の収入は全業種平均に比べあまり遜色はないようです。これは、派遣業者の時給の設定はどの業種もほぼ一律で行っていることが考えられます。

逆に言えば、派遣で働くならば、どこで働いても給料に差はあまりない、ということも言えるでしょう。

 

一方で、正職員(正社員)の平均年収は、全業種の平均年収と比べ低い結果が出ています。

この介護業界は金銭的待遇はあまり優遇されてはいないようです。

そんな中でも、 「介護老人福祉施設」 及び 「介護老人保健施設」 での職場では、比較的収入は高い傾向がある ことが分かります。

 

年収に不満があり介護業界内での転職を希望される場合、介護業界の全正職員平均年収は、357万円であることを考えると、その平均年収よりも高い、「介護老人福祉施設」 か、「介護老人保健施設」 への転職をすることで、年収をアップさせられる可能性はある ということになります。

 

介護の仕事の満足度合い

介護の仕事は、まさに 「人に尽くす」 といった仕事です。

これは、人の役に立つ仕事としては直接的であり、ここにやりがいを感じている人は少なくないはずです。

しかし、仕事を続けるにあたっては、人間関係など、その仕事の内容以外での要素も大きく関わってきます。

そういう面も踏まえ、介護業界で仕事をする方々の満足度合いはどうなっているのか? 下表をまずはご覧ください。

 

【満足度グラフ】

※介護労働安定センター-「介護労働の現状について」 より

 

上表は、「介護労働センター」 が、平成29年度の介護労働実態調査として行った結果から、特に大切な項目だろうと僕が判断項目を抜粋、グラフ化したものです。

「満足度D.I.」 とは、その項目の回答として、「満足」「やや満足」「普通」「やや不満足」「不満足」 が用意されていたとして、以下の数値を表します。

「満足度D.I.」=(「満足」と回答した人の割合 +「やや不満足」と回答した人の割合)ー(「やや不満足」と回答した人の割合 +「不満足」と回答した人の割合)

すなわち、「満足度D.I」がプラスの結果であれば、その項目に対し、満足している人の方が多い ということであり、逆にマイナスの結果であれば、その項目は不満足割合が多い ということになります。

 

以上を踏まえ、上表を見てみます。

 

賃金

満足度D.I. ・・・ -18.3

上記 「介護労働者の収入からみた現状について」 の項目でお話ししたように、全体平均を下回る平均年収である業界のためか、「賃金」 の項目では、大きくマイナスしています。

やはり、収入という点からすると満足出来ない現状がある ようです。

 

同業種内での年収アップを検討されたい場合は、前述したように、「介護老人福祉施設」 か、「介護老人保健施設」 への転職をすることで、年収をアップさせられる可能性はある程度高くある と思われます。

 

そもそも、介護業界全体の賃金が低いことが不満だということであれば、これはご自分での頑張りがどうにか出来る問題ではありません。業界全体がそのような境遇である以上、収入第一主義の方は、異業種への転職も検討する必要があります。

 

仕事のやりがい

満足度D.I. ・・・ +45.1

賃金の次に目を引くのがこの項目です。

「介護の仕事の満足度合い」 の冒頭で記したように、介護の仕事は直接的に人の役に立っており、やはりここにやりがいを感じている人が多い のでしょう。

社会で働くのは、もちろん自分の生活を成り立たせるためであることは前提にあるのですが、どうせ仕事をするのであれば、人の役に立ちたいと思うのは自然なことです。

そういう意味でも、介護という仕事において、人の役に立っているという実感は異業種に比べても格段に高い位置にあるはずです。

 

ここに意味を見い出せている方は、介護の仕事が好きなはずです。仮に転職を考えるとしても、同じ介護業界での転職を検討するべき です。

 

職場の人間関係

満足度D.I. ・・・ +31.8

この項目も高い水準で満足されています。

介護業界で働くには、少なくからず人に優しく接することが出来なければ務まるはずもないでしょう。

そういう業界の色がありますので、元々他人とのコミュニケーションでも良好を維持出来る人が比較的多いのかも知れません。

その結果、人間関係の良好さに繋がっている可能性が高いのかな、と感じます。

 

だからこそ、人間関係でどうしても上手くいかない人がいる、どうしても合わない人がいて苦痛を感じているのであれば、他の職場へ転職することで、解消する可能性は高い ことも意味しています。

 

労働時間・休日等の労働条件

満足度D.I. ・・・ +9.5

僕自身が意外だな、と感じたのはこの項目でした。

介護の仕事は、日常生活に援助が必要な方々のお手伝い、お世話をしなければいけません。また、介護業界の人手不足は恒常的に発生している問題です。

そのような仕事の特性上や置かれている状況下で働いている方々への負担は一定以上に出ているはずでありながら、労働条件に満足している結果が出ている訳です。

 

この結果は、仕事へのやりがいがカバーしていることは考えられます。

また、「職場の人間関係」 では、「仕事のやりがい」 に次ぐ満足度を得ているところから、職場自体の雰囲気がとても良い、スタッフ同士の仕事の助け合いなどもきっと行き届いていると推測出来る結果なので、そういったことも要因として考えられます。

 

これは、「職場の人間関係」 の項でも記したように、人間関係にある程度依存している可能性がありますので、人間関係でのもつれがあるようであれば、転職することで、労働条件への考え方もある程度変化があるかもしれません。

 

 

介護業界の離職の現状

満足度でみたとき、この介護業界は比較的高い満足度が得られている業界だと感じました。

そんな中でも、離職する方はいるわけであります。

 

早速見ていきますが、今回の離職に関してここで提示していくデータは、正職員のデータを示していきます。その理由としては、非正規職員の離職理由は色々な個別要因があると思われるため、ここで比較対象とするには不適当と考え、調査・掲載をやめていますのでご了承願います。

 

下表は、前職が介護職に就いていた方を対象に、前職(介護職)を辞めた理由を集計した結果を、僕が特に気になる理由を抜粋、グラフ化したものとなります。

 

【前職が介護職だった人の前職の離職理由】

※介護労働安定センター-「介護労働の現状について」 より

 

離職理由-「収入が少なかったため」

介護業界はなぜか社会的評価が比較的低い実態があります。その部分は具体的には、前述したように賃金面で顕著に出ており、それを理由に離職している人は一定の割合でいるようです。

上記グラフでいえば、「収入が少なかったため」 に表されているところになります。

しかし、上記グラフは、現在介護の仕事をしている人を対象としている訳ですから、あくまでも介護業界で転職先を探し、職場を変更することで、収入を増やそうとした人たちであります。

 

ここから分かることと言えば、やはり、「介護労働者の収入からみた現状について」 の項で記したように、ご自分の収入が平均以下であれば、職場変更で十分収入アップは狙える ということになります。

 

離職理由-「新しい資格を取ったから」

介護関係の資格は色々あるのは既にご存知だと思います。

その中でも介護関係唯一の国家資格である、「介護福祉士」 の資格は一番待遇が良いので、こういう資格をとって、その資格を最大限に発揮出来る職場への転職は、キャリアアップ転職になりますので、とても良いと思います。

 

既存の職場で、新しく取った資格が最大限発揮出来ないようであれば、即転職を検討するのが最も合理的 と言えます。

 

離職理由-「職場の人間関係の問題」

前述したように、介護業界で働く人たちの、「職場の人間関係」満足度D.I. は、+31.8 と、高い水準で問題ないように思いますが、やはり人間同士の付き合いの中で、人間関係が原因で離職するケースはあります。

ここは、その事実を示している訳ですが、ここからは以下ののことが推測出来ます。

 

そもそも、介護業界は、仕事そのもののやりがい、人間関係の満足度が高いことから、賃金の問題及び、施設側の問題(後述)以外では、ほとんどが、人間関係が上手くいかなくなったことによるもので離職している ことが推測されます。

すなわち、介護業界で離職する労働者の要因としては、職場の人間関係が最大の要因ということになり、満足度D.I. の結果から、転職により高確率で解消可能 ということです。

 

離職に至る理由-施設側の問題である可能性

介護業界の離職で興味深い数値がありますので、取り上げておきます。

以下のグラフをご覧ください。

 

介護業界の離職率階級別の状況グラフ(平成25年度)

※厚生労働省-「介護労働の現状」 より

 

上記グラフは、少し古いですが介護業界における過去1年間離職率を離職率の階級別の表したグラフになります。

見て頂いて分かるように、おそよ半数の施設では、10%未満と比較的低い数値でありますが、約2割の施設では、離職率が30%以上という異常値 を叩き出しています。

 

これを考えていくと以下のようなことが考えられます。

  • 該当施設の労働者に対する待遇がよほど悪い。

 

労働者側は、前述したように、統計結果から、「業界特有の低賃金」及び「労働者間の人間関係」 での離職は、傾向として表れていますが、それは基本的にどの施設でも同じなはずです。

なのにも関わらず、約2割の施設で、30%超えの異常離職率である理由は、消去法から見ても、あとは施設側特有の問題しかない ということになります。

賃金・労働条件・環境 等々、理由は施設ごと多岐に渡ることと思いますが、労働者側からみたときに、ご自分の勤める施設が、30%超えの離職率であった場合、かなりの要注意施設であることを認識し、転職により他施設へ移動することの検討をした方が良い と考えます。

 

転職の判断ライン

本記事の各項目でも転職の必要性はある程度記載してきましたが、ここでは、まとめる意味も込めまして、各項目に対して転職を本気で検討する必要があると判断する 「ライン」 を下記に示していきたいと考えます。

 

◇賃金
平均と比べ、自身の年収が低い場合、「介護老人福祉施設」 か、「介護老人保健施設」 への転職をすることで、年収をアップさせられる可能性はある
◇職場の人間関係・労働条件
業界全体で、この項目は満足可能な状態であるため、ここに不満のある方は、転職により職場を変えることで、高確率で解消出来る。
◇資格取得
取得資格が現職場で上手く発揮出来ない場合は、転職することで、やりがい及び賃金がアップすること(キャリアアップ)が見込める。
◇離職率
自身が勤める施設の離職率が、30%を超える異常値の場合、転職を視野に入れる。

 

上記が、転職を考える判断ラインと考えます。

 

以下の記事では、色々な理由で転職を検討している人が最も効率的に転職が出来ると考える方法を記載しています。具体的には転職サイトや転職エージェントなどの転職支援サービスを介するべきであり、その各転職支援サービスの考え方などを記しています。

 

効率的な転職方法

非正規社員が正規社員を目指す最も実現性が高い方法

 

また、下記では介護職専門で作成した、オススメの転職支援サービスを紹介しています。

転職を検討するであれば、上記記事と同様必読のことと思います。

 

介護職 転職支援サービス

 

最後に・・・

介護業界は、もっと社会的評価が高くないといけない業種だと考えます。

日本は、高齢者社会と言われて久しいですが、この傾向は止まるどころか拍車を掛け進行中です。

今後、介護を必要とする人はほぼ確実に増え続ける中で、この待遇では、いずれやりたいと考える人がいなくなるのではないか? と危惧しているほどです。

 

この待遇改善が進まない理由は主に以下が考えられます。

  1. 施設利用がそもそも高額であるため、なかなか値段が上げられない。
  2. 政府援助が乏しい。

 

まず、1に関しては、簡単です。高額であるが故に、利用出来る人が元々限られてしまいます。そんな中、現状よりも高くしていってしまうと、利用者減少に繋がり、施設存続そのものが怪しくなります。

 

2に関しては、財源の問題です。日本は、年間予算の一部は必ず、国債を発行しています。

すなわち借金です。現代社会では、そういう中で介護業界へ回せる金額が限定されていることが一つの原因となります。

ここは、財政健全化を進めないことにはどうにもなりません。

一刻も早く財政を立て直し、必要なところに必要なお金を使えるようにしていかないと日本そのものがダメになってしまうな、と感じるところであります。

 

以上、うっちゃんでした。。

 

 

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